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景気のピークは2007年10月?

 景気に関する議論が景気が悪化するか、つまり上昇から下降に転換するかどうかから、転換はいつかに移りつつあるが、すでに2007年10月がピークになった可能性が高くなった。景気循環では生産のピークが景気のピークになるが、07年10月の生産がそうなりそうだからである。鉱工業生産指数は四半期ベースで07年10〜12月期が111.5、前期比1.3%増の比較的高い伸びだが、月次の推移は10月の112.2から、11月110.4、12月112.0、08年1月109.5、2月の速報は108.2となった。


 速報発表時に製造工業の2カ月間の予測値が発表され、これによると3月は2.0%増と持ち直しても、4月は1.0%減と再び減少が予想されている。これは製造工業の予測値であり、鉱工業生産の実績は予測値とは異なる。景気回復期には実績が予測値を上回り、景気下降期にはその逆になる傾向にある。これを実現率として発表され、1月まではマイナスの実現率で、2月は0.1のプラスである。また、3月の予測修正率は0.8のマイナスである。
 3月の実績は不明だが、1〜2月の平均で108.9であり、07年10〜12月期が111.5を大きく下回っており、1〜3月期は前期比で大幅減少がほぼ確実である。問題は4〜6月期以降で、4〜6月期が横ばいか小幅減少に留まり、もたもたした推移でも着実な減少がみられなければ、景気の転換とまでは判断できない。


 通常の景気循環では、生産が増加から減少に転じる背景に、“意図せざる在庫の増加”があり、在庫調整を目的とする減産開始が上昇から下降への転換になる。ところが、今回は07年11月まで在庫の上昇はみられたが、12月、1月は低下し、1月97.6、2月97.7と下げ止まっていても、これは特に高い水準とはいえない。つまり、最終需要が顕著に減少しなければ、生産の減少が続かずに済む可能性はある。


 一方、内外需の今後の環境を見る限り、当面、プラス要因は建築基準法改正に伴う建設着工の落ち込み一巡後の反動増程度でしかない。このため、景気転換が議論の対象になっているのであるが、すでに07年10月に始まっているという意見はみられない。ただし、07年12月は112.0と10月水準に近く、季節調整値の改定で12月が10月を上回る可能性もある。それでも、07年がピークであり、すでに過ぎたことでは変わりはない。


 今回の景気回復は輸出主導で始まり、輸出が景気動向を決めると考えていた。12月までの輸出の推移から、2月1日付けのこのレポートでも景気のピークが過ぎているとまでは考えていなかった。2月の輸出数量指数も米国向けは減少が続いているが、アジア向けやEC向けの増加で全体としては引き続き拡大している。


 つまり、景気がピークを過ぎたとすれば、内需が一段と低下した影響と考えられる。実質GDP成長率は07年4〜6月期に内需の落ち込みで0.4%減になり、その後の回復は7〜9月期0.3%増、10〜12月期0.9%増と穏やかなものでしかない。4〜6月期の内需不振によって積み上がった在庫は、その後の回復力が乏しいことで、調整が遅れていると推測される。在庫水準自体は低くても調整下にあると推測でき、輸出はまだアジア、ECで維持できても、内需は特に食料品価格上昇で個人消費が冷え込みが予想され、在庫調整が長期化して生産の減少基調が続くと予測される。


 生産の減少が1四半期や2四半期で終わらず、長期化して景気のピークが確認できるのは鉱工業生産指数の4〜6月期実績と7〜9月期の見込みがある程度見えるようになる夏頃になる。その頃には今回の景気ピークが過ぎたという判断の成否が明らかになる。


鉱工業生産・在庫指数の推移



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| 2008年04月01日 | 景気 | comments(0) | - |
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