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2008年度の日本経済は建築基準法改正による反動増期待

今年も内閣府が2007年7〜9月期の第2次GDP速報値を12月7日に発表したのを受け、各民間予測機関が08年度経済見通しを公表している。19日には政府見通しも閣議決定された。08年度経済見通しでは、07年度経済見通し同様、各機関の成長率見通しに差がないのが特徴になる。

07年7〜9月期の実質GDP成長率(第2次速報)は前期比0.4%増の低成長に留まった。4〜6月期は同0.5%減のマイナス成長であったことから、07年度の経済成長率は低成長が避けられなくなった。実質GDP成長率が03年度に2.1%増になってから、06年度の2.3%増まで4年連続2%台の成長を続けてきたが、07年度にそれが切れそうである。

 各機関の07年度実質GDP成長率の実績見込みは1.0〜1.5%増と2%を下回っている。1年前の各機関の07年度見通しでは、政府が実質2.0%増、民間は実質で2%前後になっていたので、実績見込みは予測を下回ることになる。
 その要因の一つに6月からの建築基準法の改正による審査期間の長期化の影響がある。これは民間住宅建設と民間設備投資に関係し、特に、民間住宅建設は07年度見通しで2桁台の減少である。民間住宅建設の実質GDPに占める割合は3.3%であり、民間住宅建設が10%変化すれば、実質GDPは0.3ポイント変化するため、いくらか影響はある。それでも、これだけでは見通しと実績見込みとの乖離を全て説明できるわけではない。

 それよりも、前回の07年度見通しと実績見込みとの差として、〔礁棕韮庁仞長率は実質のそれを零点数ポイント高いということでほぼ一致し、デフレがほぼ解消するとしていたが、現実には名目が実質を下回る、⇒⊇个凌び率はあまり変わらないが、輸入の伸び率が大幅に下方修正になり、輸出から輸入を差し引いた外需のGDP成長への寄与が大きくなる、ことが指摘できる。内需が弱ければ、デフレは解消せず、輸入の伸びも低くなることから、結果として内需回復力を過大評価していたことになる。

 一年前のこのレポートで「皆が一致すると予測は外れるといわれている」と書いたが、07年度見通しはその通りになってしまった。
 08年度経済見通しでも、07年度に建築基準法の改正で減少した反動で、民間住宅建設、民間設備投資の伸びが高まる、∧胴颪凌用力が低い個人向け住宅投資「サブプライムローン」問題で米国の個人消費は冷え込み、成長率も低下するが、世界経済に深刻な影響を与えるほどではない、8玉、穀物の国際商品市況が上昇しても、現状が高水準であり、上昇率は小幅に留まる、ぐ拌悒譟璽箸1ドル=100円を上回るほどの円高はない、など日本経済の環境に関しての見方に基本的に違いはない。

 この下で、07年度の成長鈍化でも景気後退は避けられ、08年度実質GDP成長率は2%前後、名目はそれを零点数ポイント上回るということで政府も含めてほとんど一致している。一部で、実質と名目の成長率が同じや実質が零点数ポイント上回るものもあるが、考え方はそれほど変わらないとみて差し支えない。

 消費者物価上昇率(総合、または生鮮食品を除く総合)も07年度の0.1〜0.2%増から0.3〜0.5%増へと上昇率の高まりは小幅に留まり、原油や穀物国際市況などの価格上昇から、国内の石油、食料品が値上げされても、消費者物価の本格的な上昇にまで波及しないことでは同様である。

 08年度に民間最終消費の伸び率は高まらず、むしろ低くなる見通しもある。また、輸出の伸びが低くなる一方で、輸入の伸びが高まる見通しであれば、外需の寄与が低下する。このような状況で成長率が2%前後になるのは、建築基準法による反動増が主要因ということになる。

 08年度経済見通しにおいても、07年度に続いて「皆が一致すると予測は外れるといわれている」ことが再現する可能性が高いと考えられる。サブプライムローン問題の実態が予想以上に深刻、為替レートの大幅円高、原油・穀物国際商品市況の消費者物価への波及効果が予想以上など攪乱要因を挙げれば、実績は07年度同様に下方修正になり、景気が転換することもあり得る。



2008 年度経済見通し一覧




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| 2008年01月01日 | 景気 | comments(0) | - |
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