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経済成長は10〜12月期もマイナス成長、13年1〜3月期は?

 2012年7〜9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は前期比0.9%減、年率で3.5減のマイナス成長になったと、内閣府から発表された。主な需要項目で前期比で減少しているのは、民間最終消費支出0.5減、民間企業設備3.2%減、輸出5.0%減である。

 民間最終消費の悪化は生産活動の低下で残業手当が減少傾向にあるところに、企業収益の悪化で夏のボーナスが前年より減額になり、収入が減少していることが基調にある。そこに景気対策のエコカー補助金が9月21日で終了したため、それまでの駆け込み需要の反動で9月を通してみれば乗用車需要が減少した。結果、7〜9月期の民間最終消費は4〜6月期の0.1%減の微減から顕著な減少になった。

 輸出は世界の景気が08年のリーマンショックの後遺症で回復がもたついた影響で下降傾向にあた。そこに最大の輸出市場の中国で尖閣諸島問題が発生した。9月11日の日本政府の国有化を受けた中国政府の対日経済的報復、9月15日に発生した反日暴動などから、9月の中国への輸出が急減し、輸出全体で減少幅が拡大した。

 また、民間設備投資は国内需要が伸びないなか、企業収益が悪化し、輸出の先行きが不安になれば、抑制されるのは当然といえる。つまり、民間設備投資は民間最終消費と、特に輸出の減少に主因があり、7〜9月期の実質GDPのマイナス成長は民間最終消費と輸出の減少に依るといえる。

 実質GDPの0.9%減のマイナス成長分を寄与度でみると、民間最終消費の0.3%減と輸出の0.8%減だけで1.1%減になり、これだけで0.9%減を上回る。

 一方、主なプラス成長は民間住宅0.9増、公的固定資本形成(公共投資)5.0%増である。民間住宅は住宅需要が底を打った程度の増加で、寄与度はプラスでも0.02%増で、0.1%にもならない。これに対し、公共投資は東日本大震災の復興投資で高い伸びになった。それでも、公共投資のGDPに占める比重が低下しているため、寄与度は0.2%増でしかなく、民間最終消費や輸出の減少に対して焼け石に水とまではいえなくても、下支え効果としては小さい。

 このような7〜9月期のマイナス、プラスのそれぞれの成長要因から判断すると、実質GDPは10〜12月期も2四半期連続のマイナス成長予測になる。民間住宅や公共投資は引き続きプラス成長になっても、全体を引き上げる力が弱いからである。

 逆に、エコカー補助金終了や尖閣諸島問題の影響は7〜9月期は1ヵ月にも満たないが、徐々に薄れるとしても、10〜12月期は四半期間を通して3カ月間続くことになるる。加えて、金額が夏より大きく、かつ消費支出の割合が多い冬のボーナスの減額が避けられないため、収入面ではより厳しい見通しになる。

 また、民間最終消費と輸出の減少が続けば、民間企業設備にも波及することになる。これから判断すれば、10〜12月期の実質GDP成長率は2四半期連続のマイナス成長が見込まれ、かつ、マイナス幅の拡大が予想される。

 結局、プラス成長に転じるのは13年1〜3月期に持ち越されるが、プラス成長になるとしても微減程度しか期待できない。エコカー補助金終了や尖閣諸島問題の影響は中国の対応が衆議院選挙後の新政権の対応にもよるが、10〜12月期からより一層悪化することはないと思われる。

 1〜3月期の民間最終消費はほぼ横ばい圏で、輸出は穏やかでも景気回復傾向にある米国期待になる。そして、米国は財政の崖問題次第になり、財政の崖が何らかの方法で克服されても、米国向けだけでは輸出の回復力には限界がある。

 一方、公共投資は効果は小さいとしても、各政党が景気対策から拡大の必要性を認識しており、引き続き増加する可能性はある。しかし、年末選挙から首班指名、組閣、臨時国会を開催して補正予算を組んでから実施までの時間を考えれば、1〜3月期には間に合わない。

 実質GDP成長が13年1〜3月期にプラスになる可能性はあるが、比較的高成長になって、回復が明確になるところまでは期待できない。結果、消費税引き上げ実施に当たって、新政権が消費税引き上げに積極的であっても、景気が実施延期の論拠になる。

需要項目別実質GDP成長率・寄与度


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| 2012年12月01日 | 景気 | comments(0) | - |
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