スポンサードリンク

中国・アジア向けで輸出主導の経済成長は可能

 2010年度の日本経済見通しで、民主党の経済政策で内需が回復するとは考えられず、結局、外需に頼るしかない。しかし、世界経済を牽引してきた米国は金融危機の後遺症で回復力は弱く、EUも同様である。アジア、特に中国は内需主導で経済回復が著しいため、中国を中心とするアジアへの輸出に期待するしかなくなっている。



図 アジアと中国の製品別輸出(2008年度)

 09年度の輸出額でみると、米国が12876億円、全体に占める構成比で17.0%に対し、中国は117,612億円、同16.5%とほぼ米国に匹敵する規模にまで拡大している。10年度は中国が米国を抜くのは確実になっている。アジアでみれば、355,689億円、同50.0%と半分を占める。一方、ECは9兆7,071億円、同13.6%でしかない。これだけ中国・アジアの輸出規模が拡大すれば、今までの米国向けの輸出拡大による輸出主導の経済成長でなく、中国・アジア向けの輸出主導の経済成長を見通すことも可能になる。

 しかし、中国への輸出の内容を商品別にみると、最も多いのが電気機器で、構成比が25.6%と4分の1を占めている。その中心は電子部品で、中国内需向けのTV等の映像機器は輸出全体の1.4%でしかなく、内需向けは少ない。次いで、第2位は中国内需向けの一般機械18.9%だが、第3位の鉄鋼、非鉄、織物用糸・繊維製品等の原料用製品16.3%、第4位化学製品12.6%などとなっている。電子部品、原料用製品、化学製品等は最終製品に加工・組立られて、主として米国に輸出される。映像機器と同様に内需向けの自動車・部品の輸送用機器は7.1%でしかない。このような事情はアジア全体でもほぼ同じである。

 つまり、日本からの中国への輸出は、米国への間接輸出が中心であり、中国が内需主導の成長をしても、日本からの輸出は大して増えないと判断できる。これが各機関の10年度経済見通しで、成長率が低くなる要因の一つになっている。これは私も同様の考えであった。

 ところが、輸出指数は前年比の伸び率で、09年2月の45.4%減から急速に回復に向かい、11月の輸出指数は1.5%減とほぼ前年水準になり、12月は14.7%増と2桁台の成長である。米国やECがまだ減少が続いているのに対し、アジアは1111.9%増、1233.0%増、中国は1110.3%増である。中国の12月はまだ発表されていないが、輸出金額からアジアより伸びは高くなっていると推測される。


 つまり、1112月の輸出から、米国やEUへの輸出が伸びなくても、内需主導で成長する中国をはじめアジア向け輸出で、輸出全体が高い伸びになることを示している。輸出構造が間接輸出から直接輸出に変わってきていることになる。


 これを1112月の輸出金額で、中国の商品別前年比伸び率でみると、全体では11月は7.8%増で、電子機器4.8%減、原料用製品12.1%減、化学製品42.6%増で、化学製品を除いて間接輸出は不振だが、一般機械4.5%増、輸送用機械39.6%増である。12月は全体が42.8%増になり、電子機器33.8%増、原料用製品14.5%増、化学製品98.5%増、一般機械38.9%増、輸送用機械94.2%増である。


 12月に間接輸出が増えているのは、需給改善による価格値上がり効果もある。また、化学製品は内需製品に使われているものも多いと推測される。特に伸びが顕著なのは輸送用機器で、中国での乗用車ブームを反映している。12月の輸送用機器の構成比は10.8%と2桁台にまで伸びている。内需関連商品は比重は小さくても、異常ともいえる需要の伸びで、全体を引き上げている実態が窺える。


 結局、このような構造はアジアも一緒と考えられ、中国・アジアの内需拡大が日本の輸出に波及し、日本の輸出主導の成長を可能にしている。これから推測すれば、10年度の日本経済の成長率は2%台に乗る可能性が高いといえる。もちろん、これは中国が経済政策を大きく間違わないことが必要になる。


※第1回から第10回までの内容をPDFファイルしたレポートも提供中です。
 PDFファイルにて経済レポートを入手した方は、こちらをどうぞ。



コミュニティー・プランナーズホームページへ戻る


| 2010年01月31日 | 貿易 | comments(0) | - |
スポンサードリンク

コメント
コメント投稿フォーム:
 上の情報を次回も利用する
Copyright (C) 中国・アジア向けで輸出主導の経済成長は可能 | 経済への視点. All Rights Reserved.