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2010年度の日本経済は民間予測機関通り低成長になるか?

   内閣府が発表した2009年7〜9月期の第2次GDP速報値で、実質GDP成長率は第1次次速報値の前期比1.2%増から0.3%増へと大幅下方になった。この発表を受けて、民間の予測機関の10年度見通しがほぼ出揃い、政府見通しも25日に閣議決定された。10年度経済見通しでは、日本総合研究所以外は各機関で差がみられない。


2010年度の経済見通しの主要項目別一覧

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 2009年7〜9月期の第2次GDP速報値が下方修正で前期比微増にとどまり、09年度の経済成長率は実質で3%程度、名目で4%前後のいずれも大幅な減少見込になった。1年前の09年度見通しでは、政府は実質ゼロ成長、名目0.1%増、民間の各機関は実質で2年連続のマイナス成長見通しでも0.5〜1.0%強減、名目は0.7%増から1.6%減まで実質より幅広かった。各機関の見通しは成長率に差があったが、いずれも大きく外れた。

 前年の09年度見通しでは、日本経済は米国経済の回復によって輸出の再上昇に期待するが、金融危機の後遺症は重症とみて、厳しいという見方であった。一方、政府の景気対策にも限界があり、マイナス成長の見通しになった。これらの判断はほぼ正確であったが、最大の間違いは為替レートとその影響にある。

 為替レートは1ドル=90円を割り込むような円高予想は少なかった。また、90円程度の円高を予想していても、それが企業収益を悪化させ、賃金や消費者への心理的影響への判断が甘かったといえる。ただし、民間最終消費(個人消費)は前政権の環境対応車普及促進税制(エコカー減税)とグリーン家電普及促進事業によるエコポイント制導入の政策効果で、自動車や家電の需要が刺激され、環境が悪い中でプラス成長見込みになった。結果的には、収入減を政策効果が補い、見通しとあまり差が生じなかった。


 一方、円高が予想以上に輸出の減少幅を拡大させた。また、雇用不安が増してきたことが住宅需要に顕著に現れ、需給バランスが悪化しているところに、企業収益の改善の遅れで民間設備投資が大幅に抑制された。これらの影響を受けて、各機関が厳しいとしていたよりも実態はより深刻になり、GDP成長率を一段と引き下げる結果となたった。


  3年前からこのレポートで「皆が一致すると予測は外れるといわれている」と書いているが、09年度も少しは見通しが分散したが、3年連続でその通りになってしまった。


 10年度のGDP成長率見通しは、民間が実質で0.1%減から1.7%増、名目はいずれも実質よりも低くて2.5%減から1.0%増である。政府は実質1.4%増、名目0.4%増で、民間の中間になる。今回は民間で日本総研の成長率の低さが目立っているが、その要因は、前政権の経済政策効果が09年末までに一巡するのに加え、急回復の輸出が一服状態になる結果、10年の年明け後に2番底を予想しているためである。そして、7〜9月期から再回復になるが、回復力が弱いため、年度ではマイナス成長になるとしている。それでも、2番底といっても底は浅く、0.1%減であればゼロ成長である。
 今回の見通しは比較的幅広いようにみえても、内外需への見方に大差はない。内需では、民主党政権の7.2兆円の補正予算、10年度予算で家計に対する支援を前提に、収入面では増えなくても、個人消費に一定の伸びを予想している。


 一方、米国経済は引き続き回復力は弱く、中国経済は高成長路線に戻っているが、内需主導の成長であり、日本からの輸出はそれほど増えない。中国への輸出は最終製品になって、米国などに輸出される間接輸出が中心になっているからである。結局、全体として輸出は増加になるが、従来と比較すれば、輸出の牽引力にはあまり期待できないという見方である。また、為替レートは円高の方でも10年度平均で90円に近い80円台、円安に戻る方でも90円台半ばで、乖離は少ない。


 結局、各需要項目の少しずつ異なる成長率見通しを積み上げた結果、差が出てきたという程度である。とすれば、4年連続の外れが予想される。その場合、マイナスの方では為替レートが70円台にまでの進展が前提になるが、相対的な比較で日本経済がそこまで買われる条件はない。


 むしろ、逆に実質GDPの2%台成長の方に外れる可能性が高い。それが実現する条件は、米国やEUへの輸出が穏やかでも回復することは各民間予測機関でも一致しているが、そこに予想以上に中国向け輸出が増えることである。つまり、輸出主導の経済成長の再現で、それは中国への輸出が間接輸出から中国内需向けに転換することを示している。もちろん、この成長は新民主党政権の考える日本経済の姿ではないが。
 

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| 2009年12月30日 | 景気 | comments(0) | - |
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