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景気下落に加速

 企業倒産に増加傾向がみえ、景気のピークを鉱工業生産指数の推移から閏年効果で膨らんだ08年2月かその効果を除いて実質で判断する07年10月のいずれにしても1年近く前から景気後退期に入っている。一般的に景気がピークを打っても、当初は景気の水準は高いため、不況感が出てくるまでには時間が掛かる。今回も同様だが、秋頃から急速に不況感が強まってきている。それが鉱工業生産指数から読み取れる。

鉱工業生産指数の推移
 鉱工業生産指数の四半期別の前期比でみると、07年10〜12月期の0.9%増から、08年1〜3月期に0.7%減とマイナスに転じても小幅の減少に留まり、4〜6月期も0.8%減と同程度である。7〜9月期は1.3%減と少し減少幅が拡大しているが、急変とまではいえない。


 10〜12月期の実績がでるのはこれからだが、10月は速報値で前月比3.1%減の102.3と大幅減少になった。102.3は06年1月の101.9以来の低い水準である。加えて、製造工業生産予測指数は11月6.4%減の異常ともいえる落ち込みで、続く12月も2.9%減となっている。もちろん、これは予測であり、これが実現するかどうかは不明でも、10〜12月期が前期比で急落になるのは避けられないと推測される。産業間でも減産が広がっており、なかでも関連産業も含めてその影響の大きい自動車産業で減産傾向が強まっていることから、予測指数は実態を反映していると考えられる。


 生産の減少に加速が掛かっている要因として輸出が挙げられる。輸出を輸出数量指数でみると、5月までは前年比10%前後の比較的高い伸びを維持していた。ところが、6月に同0.1%減と前年並み水準になり、7月は9.1%増と盛り返したものの、8月同0.8%減、9月同0.2%減と前年並み水準に戻り、10月は6.4%減と顕著な減少になっている。


 米国が07年からの1桁台の減少傾向から、8月以降は前年比2桁台の減少になり、EUは8月までの増加傾向から、9月同8.0%減、10月10.4%減である。また、アジアも7月までの同10%前後の伸びから、8月3.0%増、9月1.7%増と伸びが急速に鈍化し、10月は同2.3%減のマイナスに落ち込んでいる。


 輸出がいずれの地域も悪化し、全体として減少したことで、生産活動も急速に萎んでしまった。かつて、米国の経済が悪化しても、EU、特にアジアの経済が自立してきているため、米国経済の影響を受けずに成長するというデカップリング(非連動)論が唱えられていた。それが間違いであることが明らかになっている。


 内需の低迷に輸出の減少が加わり、景気が一段と下落することが10月の鉱工業生産指数と予測指数から見て取れる。当然、景気対策が必要であり、景気が急速に悪化する時には、早く手当てしなければ、後になるほど付けは大きくなる。よく景気は体にたとえられ、風も早期であれば、薬を飲んで少し養生して直っても、遅れて肺炎にでもなれば、直るまで時間が掛かるわけで、早期の治療が大切になる。各国が積極的に景気対策に取り組んでいるのは、そのためである。日本も早めの対応が必要になるが、現状は年を越えてというのんきな態度では後追いになる心配は杞憂になればいいが。10〜12月期の鉱工業生産指数の実績が出てから驚いて、何とかせねばでは遅過ぎる。


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| 2008年12月01日 | 景気 | comments(0) | - |
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